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両神山 (赤岩尾根~八丁尾根ルート) [登山・クライミング]

1583m峰.jpg奥秩父の稜線が一望できる、両神山に登ってきました。
GWの奥秩父縦走の時に見た、鋸みたいな山です。

今回は両神山の一般ルートの中では最も険しいという八丁尾根コースに加えて、明確なルートが無く一部のベテランの間で人気(?)の赤岩尾根を加えて、両神山を目指しました。

昨日の雨もあり、少々危険なチャレンジとなりました。



当初は5/23日(土)に計画していましたが、あろうことか登山靴を忘れてしまった為、天気の回復した5/25に出直すことになりました。[もうやだ~(悲しい顔)] アホすぎ[むかっ(怒り)]

両神山の一般ルートは半日コースばかりで、物足りない感がありました。赤岩尾根は地図上では点線で、「要ザイル」と書いてあったので当初敬遠していたのですが、インターネットで調べると、使用しなかったという人も居るようで、「あれば安心、無くてもOK」と勝手に結論付けました。また、 「表妙義縦走より簡単だ」と言う記事もあり、以前行った事のある私は安心できました。
・・・赤岩尾根を含んだコースを歩くことに決定[exclamation×2]

コース
上落合橋 → 赤岩橋 → 赤岩峠 → 赤岩尾根 → 八丁峠 → 八丁尾根 → 両神山 → 作業道 →上落合橋


PICT7576.jpg
上落合橋(八丁尾根コースの登山口)に駐車。駐車場は1台しか居なかったです。
ここで登山届を提出。下山口を確認後、車道を下りました。
しばらく歩くと道路の規模の割には綺麗な赤岩橋に到着。周辺にはクルマを止めれるスペースが結構ありました。

PICT7578.jpg
赤石橋と奥に登山口となる廃村(?)

計画時に上落合橋とどちらにするか迷ったのですが、下山後疲れた体でこの車道を歩きたくないと考え上流の上落合橋を選びました。
登山口は↑の写真の廃村となるようです。鉱山(?)で働く人たちの町があったような感じです。

PICT7580.jpg
立ち入り禁止とありますが、ここから入りました。

PICT7581.jpg
町内に標識がありました。不気味な町です。

PICT7583.jpg
町を抜けかけた所に、登山口らしき標識がありました。
ザイルが必要とかルートファインディングが必要とか遭難したとか書いてありますが、
気にしない。

他にも、大ナゲシ方面にに行く人用にも同じような警告板がありました。
赤岩尾根まではルートもはっきりした歩きやすい快適な道でした。新緑も綺麗でした。

PICT7585.jpg
右手に赤岩岳も見えます。

最後のガレ場っぽい道をジグザグに登ると赤岩峠に到着です。
赤岩峠からは4方向に分岐があり、東に進みました。踏み後はしっかりついていましたが、迷い跡も多く、この先苦しめられることになります
登り始めて、すぐに赤岩岳の岩壁に当たりました。直登したような跡もありましたが、赤テープから、北を巻くのが正解のようで、北側の岩壁から山頂に登りました。
昨日の雨で、岩がまだ少し濡れていたので注意して登りました。

PICT7590.jpg
赤岩岳山頂直下(だと思う)
赤岩岳まではペンキマークもあり、道が分かりやすかったと思います。

PICT7591.jpg
山頂の標識。小せぇよ[パンチ]

山頂からは、まだ雲が多くて遠くが見えなかったのですが、奥秩父の山々が一望できそうな感じでした。
大ナゲシも近くに望むことができました。

PICT7595.jpg
眼下には登山口の廃村が見えました。
あまり時間が経ってないのに、随分登ってきた感があります。

ココから先はペンキ等の道標はなく、赤テープのみが頼りになります。
木の根が湿っているのか、一見乾いている様に見えても例外なくツルッと行きます。気をつけながら進みました。
赤岩岳山頂から下り、少し歩いたピークで左(北東)に曲がり、また少し歩いたピークで右(東)に曲がります。どちらも迷い尾根があるので注意しろという記事を見ていたので、慎重に進みました。でも赤テープを外さないようにしていれば案外分かりやすかったです。コルまで下ると、最も難所とウワサである1583m峰の前衛峰(←インターネットでの経験者はみんなこう呼んでいた)が木々の間から見えてきました。

PICT7599.jpg
1583m峰の前衛峰(よく見えなくてすいません)

こちらは北に少しまいて登る道と直登する道、南から巻いて登る道があるようだが、北に少しまいて登る道が一般的なようで、ちょっとしたロープが付いていました。岩壁のトラバース道からの登りなので落ちたら下まで落っこちちゃうという恐怖はあったが、思ったよりは楽で、何とか登ることができました。岩が湿っている事を考えると、乾いていればさほど難しくもないと思います。
前衛峰山頂には地図には無いはずの三角点みたいなものもありました。眺めもよく、晴れ間も見えてきました。

PICT7602.jpg
三角点? 地図には無いと思うけどな・・・

PICT7600.jpg
前衛峰から見た大ナゲシ

前衛峰からは今回の目玉、1583m峰(←こんな名前でよいのか)がすぐ近くに見えました。
1583m峰2.jpg
1583m峰
南側(写真では右側)の岩壁を登ることになります。

ココの登りには何箇所かショボいロープもあり、特に苦労することも無く登ることができました。

PICT7620.jpg
山頂で迎えてくれたアカヤシオ?ただのツツジ?

PICT7621.jpg
山頂に碑は無く、三角点があった。

PICT7623.jpg
P4とP3だと思う(手前)と両神山方面(1583m峰より)

この1583m峰からの下りで道を間違えてしまいました。はっきりした踏み跡があったので安心していたのですが、いつの間にか南向きの尾根に迷い込んでしまいました。どこかで道が180°曲がっていたようです。しかもその下りで、腐った大きな木ごと、落ちそうになりました。根っこから丸ごと落ちていったのです。なんとか他の木につかまって助かりましたが、腕や足を何箇所か打ってしまいました[ふらふら]
まあ、たいしたことは無かったので、元の道まで戻り、赤テープを確認して安心しました。

ココから先は難しいところは無かったと思います。何度も同じようなピークを超えました。巻いて登るのか直登か悩む所はありましたが、慎重に赤テープをを辿っていきました。一つのピークの頂上にP2と書いた標識がありました。この赤岩尾根は赤岩岳・1583m峰以外にはP1~P4と名前がついたピークがあるようです。

PICT7626.jpg
狭くてザックが邪魔だった垂直な岩場(上から撮影)

PICT7628.jpg
P2の標識(名前が適当だとしか思えない[あせあせ(飛び散る汗)])

最後のピークの一つ前(だったかな)にテントが何箇所か張れそうな割と広い場所がありました。先人のHPにあった旧八丁峠だろうか? 最後のピークを越えると八丁峠に到着です。

PICT7633.jpg
八丁峠にある赤岩尾根方面の看板。これを見たら普通行かないよね。

八丁峠からは一般ルートです。
これまでの赤岩尾根と比べても結構急な所を上り下りしましたが、ルートがしっかりしているのと、ホールドが安定していて安心できました。やはり人の多く入る道は色々な面で安全だと感じました。
登り始めて直ぐに眺めが良くなりました。天気もすっかり回復し、奥秩父の稜線が見えました。

PICT7639.jpg
右奥は狩倉山、さらに奥はうっすらと甲武信ヶ岳

PICT7649.jpg
クサリ場

西岳のすぐ手前に行蔵峠なる場所がありました。地図には載っていません。西岳山頂からは眺めが良く、これから登る東岳、両神山、今歩いてきた赤岩尾根が見えました。
西岳から東岳はクサリ場の連続でした。途中尾ノ内に下るルートもありました。これもどうやら一般ルートではないようです。

PICT7666.jpg
尾ノ内ルート入り口にある警告板

大きく登り返して東岳に到着しました。ベンチがありゆっくり休憩できました。
眺めも良く、今日歩いてきた赤岩尾根が良く見えました。八ヶ岳も大きく見えていました。

PICT7672.jpg
東岳から赤岩尾根

東岳からはクサリ場もありましたが、それまでに比べてわりとなだらかな道を行きました。
両神山山頂には思ったより早く到着しました。山頂では、今日初めて人に逢いました。おばちゃん3人組です。
時間も遅いので、すぐに下山してゆきました。

PICT7683.jpg
山頂の祠

パノラマ 1.jpg
山頂からのパノラマ(クリックするとでかくなります)

山頂からはGWに縦走した、雲取山らしき山から金峰山まで全てを望むことができました。

山頂でしばらく休憩した後、遅い時間になってしまったので、下山を開始しました。
下りは、作業道を通ると近いと誰かのHPで見ていたので、それを利用しました。

PICT7696.jpg
↑山頂から少し清滝小屋方面に下り、梵天尾根方面に進もうとすると、ロープが張られていました。梵天尾根は地図に普通にルートが載っているが、何故下れないのだろうか?。
逆にこれが目印となるので標識をくぐり梵天尾根に進む。

PICT7697.jpg
PICT7698.jpg
↑また少し進むと、作業道と書いた分岐があり、作業道は通行止めとなっているので、それをまたくぐり、作業道を下る。
作業道はルートも明確で、しっかりテープもついている。一時間ぐらいで上落合橋についてしまいました。

PICT7702.jpg
いたいた[黒ハート]

少々無理な山行を計画したが、難なくこなすことができてよかったです。
今回の赤岩尾根のような人のあまり入らないルートは、常に方角に気を使っていなければならない事は楽しかったが、藪が多いのはちょっと勘弁[あせあせ(飛び散る汗)] 。
今回は時期が早いこともあり、藪は少なくて助かったです。あまり多いとイライラするんだろうな。
ザイルなどは結局必要と感じなかったのはよかった(というより今のKAZUは使えません)。
でもしかし、積極的にマイナールートを単独で歩くことは危険だし避けようと感じました。

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黒澤と@猫の森

はじめまして、黒澤と@猫の森、と申します。
以前から、歩いてみようと考えていた赤岩尾根の情報を探していたら、偶然、こちらのサイトにたどり着きました。

赤岩峠の登山口である金山は、もう60年以上も昔、僕の母が子守奉公に出た場所だそうで、かなり前に廃村になっているようで、昔は上野村から所の沢沿いに子供でも歩ける道があって、普通に行き来があったそうです。母は小学校の遠足で、この道を通って中双里の諏訪神社まで行って帰ってきたとか…

赤岩尾根は、いわゆる県界尾根で、篤志家の方…関口快哉さんなんかが積極的に赤布を付けられたのが10年以上前かなあと記憶しています。あの辺りの道のない尾根は、薮がひどいので冬枯れの10~11月が快適でしょうね…

他にも、赤岩尾根から西方面を地道に開拓されていた方が大勢いたのですが、みなさん現役を引退されている歳だろうなあ(そういう僕も、既に50歳だし;

両神山は、やはり10年ほど前ですが、地権の関係で環境省と大揉めに揉め、もともと私有地であったことなどから「廃道」となったルートが沢山あります。今回、KAZUさんが通られた作業道などは、近くて好いルートなんですけどね…他にも、天理尾根、橋本尾根、あと尾の内沢ルートなど…難解なルートが目白押しで、未だに全容解明されていない山域の一つです。

閑話休題。最近は、山を離れて海やってます。
ご連絡いただく場合は、こちらのブログが早いです。
http://satami.exblog.jp/

また、ツイッターのアカウントをお持ちでしたら、@southernAtamiへ、@でご連絡いただければもっと早いです。

末筆ながら、参考になりました。
近々、新人連れて行ってきます。
by 黒澤と@猫の森 (2011-10-20 14:31) 

黒澤と@猫の森

追記:

P1,P2…という表記は、無名峰が連続する尾根においては一般的な呼称です。また、1583m峰前衛峰という呼称についても、そのピークが核心である場合などによく用いられるもので、相応の登攀経験のある複数の方が協議された結果の呼称だと思われます。
(推測ですが、岩崎元郎さんの、無名山塾のメンバーが中心になっているはずです)

山の名称は、第一義には地元で呼ばれている呼称を、第二義には初登攀者の呼称を尊重するのが慣例です。赤岩尾根は、地元では無用の尾根として扱われていたので明瞭な名前が付いていないのでしょう。

赤岩尾根は、僕の曽祖父などが、熊撃ちなど猟の際に熟達者が上野村から両神村への近道として使ったのではと推測しています。あまりに薮がひどいので、修験道の対称にならなかったのでしょうね。
by 黒澤と@猫の森 (2011-10-20 19:16) 

KAZU

>黒澤と@猫の森さん
ブログへの投稿ありがとうございます。しばらくブログに手付かずだった為、投稿を発見するのが遅くなってしまいました。
両神山と私が歩いた赤岩尾根、それにまつわる話をとても興味深く読ませていただきました。未だ沢山のルートがあの山に潜んでいるとは驚きです。また、なぜP1,P2といった無骨な名称がついているのかと言う疑問もそんな理由だからか、と納得する事が出来ました。
ぜひ気をつけて行ってきてくださいね。
by KAZU (2011-11-12 13:24) 

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